先週(3/21)、
製薬会社エーザイの株が急落しました。
理由は、
米国バイオジェンと共同開発していた
アルツハイマー型認知症の新薬開発に
失敗したからです。
3/20 9000円台だった株価は、
3/25 6000円台まで急落。
実に、2/3になってしまい
「エーザイ・ショック」
と言われています。
https://minkabu.jp/news/2348110
エーザイといえば世界初の
抗認知症薬「アリセプト」を開発した実績もあり、
新薬への期待も高かったので、
その反動が大きかったようです。
臨床失敗による株暴落は、
1/29のサンバイオ・ショックに続き今年2件目。
https://dot.asahi.com/aera/2019021600001.html?page=1
創薬ベンチャー投資の難しさを感じます。
アルツハイマー病は、
高齢者における認知症の最も一般的な原因です。
アルツハイマー病の原因として疑われているのが
アミロイドベータという物質。
この物質が脳にたまると、
神経が傷つき、脳の働きを衰えさせるのではないか?
と考えられていました。
しかし、
アミロイドベータを除いても、
認知症自体が改善しない
という事象が起き、
ファイザー
メルク
イーライ・リリー
ロシュ
など、海外の大手製薬メーカーが
次々に失敗し、撤退をしていました。
もしも、エーザイが成功していたら、
市場独占の期待が高まっていたのです。
エーザイの試験は、
過去の失敗をしないようにするために、
「早めに投与すれば、効果が出るのでは?」
と考え、
アルツハイマー早期の人や、
まだアルツハイマー病とは診断されていない
MCI(軽度認知障害)の人を対象として選んでおり、
「効果を示しやすい試験」と考えられていました。
しかし、失敗。
そんな中、全く新しい考え方で、
アルツハイマーの治療薬を探している先生もいます。
「ハンセン病(らい病)患者に、認知症患者はいない」
という説があります。
(まるで、今、話題の本
「サーファーに花粉症はいない」みたい!)
大阪市立大学の富山貴美(たかし)先生は、
これを検証するため、2016年、
結核やハンセン病などの治療薬「リファンピシン」を
アルツハイマー病に近い症状のサル、マウスに
投与したところ改善効果があったた発表し、
注目を集めています。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190323-00558701-shincho-life
また、
糖尿病患者がアルツハイマーを発症する
リスクはそうでない人の2倍以上にもなることから、
「アルツハイマーは脳の糖尿病」
という考えがあります。
広島大学の鬼頭昭三先生が、目下、
“最善のアルツハイマー治療薬”
と考えているのは、
「経鼻インスリン吸入薬」(日本未承認)だそうです。
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/10010800/?all=1&page=3
アルツハイマーには、まだまだ、
さまざまな新薬候補がありそうですが、
エビデンスを重視するなら、
ヒト臨床試験論文がないと、
いいとも、悪いとも言えないですね。
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