本庶佑(ほんじょ・たすく)先生が、
ノーベル賞を受賞したおかげで、
私が編集長をしている
「がん経済新聞」
のアクセス数も、劇的に伸びました。
私が受賞したわけではないのですが、
「おめでとうございます!」のメールまで。
「がん経済新聞」は、免疫療法を含む
ガンとそれに関わるビジネスニュースを
積極的にお知らせしていたからでしょうか。
がん関連のニュースが多すぎて、
この一般向けのヘルスケアメルマガが、
ガンだらけになってしまうため、
今後は、がん関連の専門的な話は、
別の無料メルマガに、徐々に移行しますので、
下記へご登録ください。
https://a07.hm-f.jp/index.php?action=R1&a=787&g=4&f=7
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さて、先日(10/18-20)、
横浜で開催された「日本癌治療学会」
を覗きに行きましたが、
メインの話題は「がん免疫療法」
熊本の玉名病院の赤木院長先生と話したら、
がんになった熊本のおばあちゃんが、
「『オプジーボ使えませんか?』
って、いきなり言うんだよね!びっくりだよ。」
とノーベル賞の影響力を語っていました。
つい、4-5年前までは、
「免疫療法なんて、インチキ!」
と言い放っていた標準治療のお医者さんたちが
多く集まるこの学会でも、
「これからのメインストリームは、I/Oです」
って、ちょっとかっこ良く、
I/O=Immuno-Oncology(免疫腫瘍学)
という言葉で言い換えていました。
「抗がん剤は使うな!」
と言い放って、
標準治療のお医者さん、製薬メーカーから
大ひんしゅくをかっていた
近藤誠先生でさえ、5年前は、
「免疫療法に近づくな」
http://www.akishobo.com/book/detail.html?id=543
という本を書いていたくらいです。
近藤先生の名誉のために言っておくと、
この本が出た時(2013年)は、
この後、お話する薬、
ヤーボイ(2011年)FDA認可直後、
オプジーボ(2014年)FDA認可前ですから、
その情報を入れられなかったのかと。
近藤先生には、
是非、この本の改定版を
書いていただきたいものです。
さて、ノーベル生理学・医学賞の受賞者は、
本庶先生だけでなく、もう一人います。
MDアンダーソンがんセンターの
ジェームズ・アリソン博士です。
MDアンダーソンがんセンターは、
世界のがん研究の総本山です。
本庶先生の発見したPD-1の話は、
メディアでかなり紹介されていますが、
アリソン先生の功績は、
あまり紹介されていないようです。
アリソン先生は、
T細胞上の「CTLA-4」を発見し、
その仕組みから生まれた「ヤーボイ」という
ガン免疫治療薬を、2011年FDA認可。
本庶先生は、
T細胞上の「PD-1」を発見し、
その仕組みから生まれた「オプジーボ」という
ガン免疫治療薬を、2014年FDA認可。
以下、
簡単に両先生の発見を説明すると、
(眠くなった方は、ここまででよいですよ)
がんになった患者さんの
免疫細胞(T細胞)の表面に、
「CTLA-4」と「PD-1」という
ボタン(触手みたいなもの)が
出てくるそうです。
T細胞の暴走を防ぐ樹状細胞は、
CD80とかCD86という触手を伸ばし
、
T細胞上の「CTLA-4」ボタンを押して、
T細胞の暴走を抑制します。
一方、
がん細胞は、PD-L1という触手を伸ばし、
「PD-1」ボタンを押して、
自分は、健全な細胞なんだと
「なりすまし」をして
やはり、T細胞の攻撃を抑制します。
すごく、簡単に言うと、
けんかをする時のボスが、樹状細胞
けんか相手が、がん細胞
T細胞は、ボス樹状からの「そこまで!」指示
または、
がん細胞の「俺、いい人だよ」アピール
のどちらかで、けんかを止めます。
なんだか、すごい仕組みですね。
なので、
CTLA-4のボタンに、異物を挿入して、
樹状細胞が、ボタンを押せないようにしたのが、
「ヤーボイ」という薬、
PD-1の触手に、異物を挿入して、
がん細胞が、ボタンを押せないようにしたのが、
「オプジーボ」という薬で、
両方とも、小野薬品工業の薬です。
ウハウハです。
(小野薬品のボーナスやいかに?)
https://www.ono-oncology.jp/contents/patient/opdivo-yervoy-comb-therapy/04.html
でも、
なんで、がん患者のT細胞に、
CTLA-4やPD-1が多く発現するのか?
は、実は、よく分かっていません。
本庶先生は、
それらの答えになりそうな研究もしています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28096382
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30143538
かなり難しいので、ほとんど意味不明ですが、
すごく簡単に言うと、
「ミトコンドリアを活性化させると
オプジーボなどの免疫療法の効果を高めるかも」
という話です。
ここからは、私の勝手な推論です。
がん細胞の発生で、戦いに疲れた
T細胞は、CTLA-4やPD-1を多く発現する。
↓
疲弊の原因は、T細胞内にある
ミトコンドリアの活動不良が原因。
↓
なので、ミトコンドリアを活性化すれば、
T細胞が元気になって、
CTLA4やPD-1を発現しなくなる。
↓
T細胞は、がん細胞を引き続き攻撃。
のでは?と考えています。
あくまで、私の推論です。
とすると、
ミトコンドリアを活性化すれば、
T細胞は、いつも元気なので、
がん予防ができるのかな?
と思います。
そんな話を、11/15(木) 秋葉原で、
下記ヘルスケアセミナーでしますので、
ご興味ある方は、ご参加ください。
たぶん、聞いたことない話ばかり
する予定ですので、覚悟してください!
テーマは、「シニア市場に向けた機能性表示食品
~免疫と腸内フローラ~」です。
http://foodsnews.com/seminars/view/165